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小論文について

これも年度によって異なりますが、例年の場合、リード文があり、それを読んだ上で2つの立場のうち、自分はどんな意見を持っているか問われるという形式のものだったと思います。ただ、「オススメの本は何か?(ざっくり要約すると)」などという変化球な問題が出た年があるようなので、この学科で扱っているテーマを幅広く押さえつつ、論理的な整合性があり、ある程度語彙力を整えた文章を書くという能力を養っておく必要があると思います。普段から、本を読んだり、社会全体で問題になっているような音楽・芸術に関係するテーマについてどんな立場があるのか、自分自身だったらどう考えるのか?などを意識しておくと良いと思います。また、(語彙力のあまりない自分が言うのも気が引けますが)辞書を引くのを習慣にしておきましょう。

自分は楽理出身の先生に添削してもらっていましたが、身近に音楽関係で頼れる先生がいない場合は、国語の先生などに頼んで小論文を見てもらうのが良いと思います。現代文でも芸術関係の文章が出ることがありますし、全く参考にならないということはないでしょう(以前、どっかの大学で武満徹が書いた文章が出題されていた気がするので、的外れな方針ではないと思います)。

これに関しては、文章構成を学ぶこと、言葉遣いに気をつけること、語彙力を増やすこと、学科で扱われているテーマに関して幅広く学んでおくこと。そして、とにかく書いて添削してもらい、客観的に見て筋の通った文章を書くようにすることに尽きると思います。

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過去問の収集について

これに関しては、多くの人が困っていることではないでしょうか。藝大が公開している過去問は、Web上のもので過去3年分程度であり、赤本のものであっても新しい年度のものは2年分程度しか掲載されていません。自力で集められるだけ集めることを全力でおすすめしておきます。

では、どうすれば良いのかというと、大きく分けてると2点ほど方法があります。

まず、中古で過去問を買うという方法です。Amazonや楽天、メルカリなどで販売されていないか探してみましょう。ただ、通常の価格よりも高くなってしまっている場合があるので、その点に関しては注意しておきましょう。

次に、国会図書館で必要なところをコピーするという方法です。実は、大学入試の過去問も蔵書に含まれており、利用者登録をすれば閲覧することや、著作権法の範囲内でコピーをすることができます。

過去問には解答が掲載されているものの、解説が付されているのは国語や日本史・世界史などの一般的な大学でも出題されるような科目だけです(楽理とか芸術学科とかで出題されているやつですね)。音環の受験科目に関しては全く解説が載っていないので、音楽の基礎知識が全くない状態でゼロから勉強を始めるというのであれば、学校の音楽の先生に頼るのもありですし、クラシック系の楽器を習った経験があるならば、師事した先生にわからないところを質問するなどして解決しておくと良いでしょう。

藝大のホームページに掲載されている過去問

http://admissions.geidai.ac.jp/data/past-exams/music/

音環の問題自体は掲載されているものの、解答が付属しているわけではないので、自分で調べる必要があります。また、小論文の最初についているリード文も著作権の関係で省略されているため、閲覧できない状態になっています。最新の赤本でどうなっているかは確認していないのですが、こういう設問には必ず出典が明記されているため、赤本に文章が掲載されていなかったとしても、出典元の本を借りるなり、購入するなりしてみると良いと思います。

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面接・自己表現について

具体名を挙げるわけではありませんが、「自己表現に芸術性が必要」などという怪情報を流している人がいるようなので、その点に関しては否定しておきます。全否定ではなく、部分否定という形です。

というのも、この学科、音楽しか扱っていないわけではないからです。学内で全員が芸術性を帯びた作品を制作することを要求されるわけではなく、思想や文化などについて論文の形で発表している人もいるぐらいなので。

あと、自己表現の具体的な内容に関しても、プレゼンをした人もいれば、演奏をした人もいれば、自分のようにパフォーマンスで披露した人もいます。自分は打楽器のみで作った曲を録音してもらい、それに合わせて空手の形を演舞しました。某先生に正拳突きの寸止めをしてビビらせてしまったのは今となっては良い思い出です←

また、事前に準備を十分にしておくことが大事だということを念押ししておきます。というのも、自分は試験当日まで、広いスペースを確保して練習することができなくて、アンサンブルでいうパート練?のような部分部分の練習しかやっていなかったです。当日の朝、早めに出発しておいて、上野公園でウォークマンから音楽を流し、一人で空手の形の練習をするという愚行に走っていました。そのせいか、公園の掃除をしているおじさん達から「あの人、空手やってるよ」などと言われながら練習する目に遭ってしまい、恥を忍んでリハをする状態になっていました。

内容をきちんと考えることも大事ですが、一般的な大学の面接などとも共通するように、「なぜそれをやるのか?」ということを深く考えて、その意見を聞いた人を説得できるようにしておくことが大事ではないかと思います。変わったことをやっている人もいますが、よくある内容をやっていても理由をきちんと考えて受かっている人もいるので、その辺りは自分で考えておきましょう。考えられる人が受かっていると思います(ココ重要!!)。

面接をするにあたっての事前準備

面接をするにあたって、質問されることは大別すると、自分自身のこと(今までの興味関心や今後やりたいと考えていること・経歴についてなど)、自己表現のことを聞かれました。藝大に入学する前は一応、社会人もやっていたのですが、面接に関しては大の苦手でした。苦手だからといって、何もしないと合格可能性が遠ざかってしまうと思ったので、就活の時期に、面接が得意だという友人に聞いていた面接の準備の方法を試してみたのもあって、ギリギリ乗り切れたのかな〜と思います。

自分はプレゼンテーション+面接っていう形ではなく、パフォーマンス+面接という形で最後の試験を受けたわけですが、プレゼンテーション+面接で受けるのであれば、そもそもプレゼンってどうやるんだっけ?とか、どの程度のレベルのものができれば良いのか?ということを考える必要があります。

ネットで情報を漁っていると、予備校講師(音楽系なのか一般的な予備校なのかわかりませんが)が、「どうすればいいのか分からない」などというプロ失格の発言をした人もいるとのことですが、情報収集できないというのは全くの誤りであり、教える側の人間がそれを言うのは職務放棄かな〜と思うので、自分ならどうするかという一案を書いておきます。

一言で言い表すならば、「題材をきちんと選び、上手いプレゼンを真似ろ」ということでしょうか。一般的なプレゼンであれば、TED Talksみたいなものもありますし、Appleのスティーブ・ジョブズのような人がプレゼンをしている動画も残っています。あとは、講義形式で受ける予備校の授業なども、ある意味プレゼンですよね。個別指導ならば細かい台本はなくても授業として成立してしまうのですが、大人数を相手に、必要なポイントをわかりやすく伝えるには台本が必要になりますし、練習も必要になります。台本なしで即興で喋れる人間なんていうのは、そうせざるを得ない環境に置かれて場数を踏んだか、生きていく過程でたまたま必要な能力を養うことができた人間だけなので、そうした自覚がない人は情報収集した上で、入念に準備をすることをおすすめします。

学部生や院生などが学外に向けて研究成果を発表するような場もあるので(藝大のホームページ等を見てください)、どの程度の内容が要求されるのかというレベル感のヒントが全くない訳ではないということを頭の片隅にでも置いておくと良いのではないでしょうか。

自分自身についての振り返り

どんなことをしたのかというと、自分自身が生まれてから現在に至るまでに経験してきた主要な出来事をノートに書き出し(何年の何月に何をしたというレベルで。習い事、興味関心を抱いていた出来事、好きだったアニメやゲーム等)、一つ一つについて「なぜ?」と繰り返し問いかけることです。一つのことに対して3回ぐらいこういうのをやれというのは就活の準備をする際によく言われるかと思います。5回以上繰り返し、深掘りをしたり、場合によっては他の人に内容を見せて疑問に思うところを指摘してもらったりするなどしつつ、面接の練習に臨むと良いかと思います。

志望理由書の内容を検討

就職活動だろうと大学受験における面接だろうと、志望理由に関してはよく聞かれます。だいたい、志望理由に関して質問が出る時というのは、その内容について気になる点があったからということがほとんどです。固有名詞を使ったり、一部の表現がやや抽象的になっていた部分(意図的にそうした)についても質問が出た記憶があります。内容に関しては、文章に自信がある人なら自分で書いてそのまま提出しても良いのかも知れませんが、自分はあまり自信がなかったので、当時習っていた先生に添削してもらいました。面接練習の材料になるので、必ず手元に提出した文章を残しておくようにしましょう。

実際に自分が制作した楽曲について

『残心』

曲名は『残心』です。武道をやっている人ならば、何度も耳にするような言葉ではありますが、簡単に言うと、「敵を倒したと思っても決して油断するな」っていうような心構えなんですよね。剣道なんかだと、試合で良い判定が出ても、その直後にガッツポーズをしてしまうと取り消されるってことがあるのは、この「残心」という考えを大事にしているからです。

細かくは語りませんが、この「残心」という心構えのようなものを曲にできれば、そして劇伴に興味があるため、それに近いことができればと思い、制作するに至りました。本番では、空手着の準備ができなかったため、音源、空手の黒帯、面接官の先生方の人数分の楽譜と解説資料+自分用の楽譜・資料を準備していきました。

空手の形の動画

慈恩という空手の形です。自分は、小学校2年生〜高校1年生の頃、空手をやっており、中3の時に初段(黒帯)を取っていました。昇段審査という、黒帯になるための試験があるのですが、その時の課題の一つが確かこれでした。

流派が違うからなのか、動画の動きが一部、自分が教わったものと異なるような気がしていたので、自分の記憶を頼りに動きを掘り起こし、一度、最初から最後まで動きを動画で記録したのち、何秒の時にどういったことがしたいかというのを紙に書き出してから、曲を作るようにしていました。

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選考に有利・不利はあるか?

ここ最近の話ではありますが、医学部の受験生で、多浪をしている方や女性の方の得点を著しく下げて採点するなどという公平とは程遠いようなことをしていた大学が明らかになることがありました。これに関しては、明確に否定できます。自分自身、一度大学を卒業してから受験して合格しており、過去にも大学を卒業したり、中退したりしてから入学してきている人、浪人して入学している人がいるので、それだけが理由で不合格になることはないと思います。ただ、面接ではこうしたことに対して、「なぜ?」ということが問われた記憶があります。

一般的な音大受験においては、行きたい大学の先生に師事してレッスンを受け、対策していくというのが普通ではありますが、音楽環境創造科に関しては、そういった繋がりがほぼないと言って良いです。たまに、入学前に作曲を扱っているゼミの先生に師事していたことがある人がいたという話を聞くことがありますが、そこで音楽的な能力を養っていて、自己表現で発表したからといっても、他学科と異なり、入試で音楽的なスキルを問われている訳ではないので、器楽科や作曲科のような評価を得るわけではないです。そのため、音楽的なスキルがあるからといって入試で有利になることはないですし、逆に、音楽的な経験が少ないからといって不利になるということもないです。自分が何をやりたいのか、なぜやりたいのかということを明確にし、他人を説得できるようにするレベルまで考えておくのが最善の策だと思います。

時々、音楽系の高校出身の方で合格される人などもいるようですが(先輩で藝高出身の人がいました)、この学科に関しては学力が全くない状態で受かるのは難しいので、例えば、「ピアノ科は無理そうだから」などという消極的な理由で受けても合格は難しいのかな〜ということを言っておきます。

普通科でない高校出身の場合(音楽や美術系をメインに学んでいる場合は特に)、授業進度が普通科と比較して遅かったり、共通テストなどの受験に必要な科目をそもそも扱っていなかったりする場合があるため、自分でそれなりに準備が必要だということはお伝えしておきます。参考書を探して自学自習するなり、塾・予備校や通信教育を利用するなり、ある程度戦略が必要になります。

受験する上で忘れずにおきたいこと

どの大学にも言えることだと思いますが、試験項目で1点でも多く取った人が合格するのではないでしょうか。苦手な項目がある場合には、「苦手だから」と逃げるのではなく、得意なところも伸ばしつつ、苦手項目を潰して全体の点数を上げていくことが必要だと思います。

もし、受験指導などをご希望される方がいる場合は、問い合わせフォームよりご連絡よろしくお願い致します。

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