ゲーム会社のサウンドクリエイターの面接でしくじった話
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面接というチャンスを無駄にしないために

自分は、藝大の4年生の時と、卒業後にゲーム会社のサウンドクリエイターの選考を受けたことがあるのですが、その中で、2社だけ課題選考を通過し、面接に進むことができました。一度大学を卒業したことがあり、就職していた経験もあるため(全然作曲や音響などの分野とは関わりのない分野)、新卒の枠で応募できるところが限られていました。このような状態にも関わらず、面接に進むことができたというチャンスを無駄にしてしまったのです。

自分のように、一度大学を卒業した後に再進学という形で音楽系の学校に進学した人、現役もしくは浪人で進学した人で、音楽的な能力を生かした上で就職したいという人のために、反面教師の材料として自分の失敗談を良い方向で活かしてもらえればと思い、過去のしくじり話を掘り返してみることにしました。

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どんなところを受けたか?

一応、「新卒」の括りではあるものの、短いながらにも職歴という名の黒歴史があるため、ゲーム会社に新卒枠で応募できるところが限られていたのは、先述の通りです。そのため、職歴に関しての制限に当てはまらないところを受けました。

具体名は伏せますが、西の方にある、ソフトだけではなくハードも出している某社、2社の名前がくっついている映像に音楽を付ける課題を出された某社、地方の会社(ゲームのメーカーではないがゲーム会社から制作を請け負っている)、未経験枠でもある一定の年齢以下なら自由に応募できる某社、そして、面接まで進むことができた某スマホゲームを作っている会社と武士が登場するゲームを作っている会社などです。

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面接でどんなことを質問されたか?

面接を受けたのは2019年〜2020年の頃なので、現時点から振り返って2年前のことです。朧げな記憶を掘り返しながら書いています。そのため、細部に関しては記憶が曖昧ですが、大まかにどんなことを聞かれたのかということに関して振り返っていきます。

ゲームに関係すること

  • どんなゲームで遊んだことがあるか?(受ける会社、それ以外の会社に関して)
  • 今までに印象に残った音楽(ゲームの)はあるか?また、その理由
  • 一番最初に遊んだゲームは何か?また、印象に残った理由は何か?
  • どの分野で仕事をしていきたいか?

思い出せることを絞り出してみると、上記のようなものを聞かれたと思います。

会社に関係すること

  • 志望動機
  • 会社のどんなところに興味があるのか?

自分自身に関係すること

  • どうして今の進路を選んだか?(再進学をしていたため)
  • 興味のある漫画、アニメなどは?
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どうすれば良かったか?

元々、面接は得意な方ではなかったので、情報収集と得た情報を元にどう行動していくかという再構築の部分が不足していたように思います。全部が全部ではないと思いますが、ゲーム会社のサウンドの面接であるとはいえ、あくまで「一企業の面接」という位置付けにあると思うので、他の職種(総合職などで受ける人)と同じかそれ以上に受ける会社や同業他社の比較研究・自分自身の行なってきたことや興味関心に対する深掘りが足りていないがために落とされた気がします。

こうした残念な事態に陥らないようにするためには、普段からできることを着実に積み上げていくことが大事なのではないでしょうか。自分自身をアピールすることが得意なコミュニケーション強者の人はあまりこうしたことを意識しなくても、普段通りに振る舞うだけでうまく対処できてしまうかと思いますが、自分のように面接に対して苦手意識がある人は、アピールが上手い人の何倍も準備に時間をかけて、やっと同じ土台に立つことができるのではないかと考えています。

面接準備に関して

ゲーム会社に内定した、もしくは現在働いている先輩に聞いてみるのが良いと思います。音楽系の学校に通っているのならば、ゲーム会社に就職するような人がいるのは珍しくないことなので、情報収集をしてみると良いでしょう。直接的な繋がりがなくても、先輩の知り合いに話を聞く時間を作ってもらうなど、取材範囲を拡大すれば、より正確な情報が集まると思います。インターンなども最近はよく行われているようなので、会社に合法的に潜入し、調査するのもありでしょう。面接を迎えるまでに、どんな人が求められているのかという「求める人物像」を把握していくと、本番で大失敗をするというリスクを減らすことができます。

そうして情報を集めつつ、会社によってどういったところが強み・弱みなのか、自分はそのどこに魅力を感じるのか、自分だったらどのように活躍していくことができるのかということを様々な観点から深掘り、整理をしていくことができれば、面接が苦手な人でもギリギリ持ち堪えることができるのではないかと今、振り返りながら思っています。

面接の練習に関しては、大学などで就職活動を支援している部署の方に問い合わせれば実施してもらえます。そうした場を利用して面接のリハーサルをしてみるのもありでしょう。また、企業などで人事の経験をしたことがある人に話を聞く機会があれば、「どういった目線で評価されると考えられるのか」という情報を得ることもできます。

応募書類に関して

業務委託の案件に応募するようになってから意識したのですが、分かりやすい(読みやすい)資料を作ることもアピールの一環になると思います。制作した楽曲について説明する資料に対し、楽曲のイメージとなるような画像を添付したり、プレゼンなどで使われる資料を研究したり等、実際の仕事になった時に活躍することができると思えるようなイメージを少しでも持ってもらうための努力はしておいて損はないと思います。あくまで、作曲の能力を磨く(求められているものをより良いクオリティーで作る)ことが第一だとは思いますが、それに付加価値をつけることも頭の片隅に置いておくと、自分のような残念な目に遭う可能性を減らすことができるのではないでしょうか。

作曲面に関して

実際に仕事をしている人に曲を聴いてもらうことから始めるのが良いかと思います。ゲーム会社にサウンドクリエイターなどの職種として勤務していたことのある人が大学の先生である場合には、自作曲やDAWのプロジェクトのデータを持っていて意見をもらうのも一つの手です。また、内定をもらった先輩などに聴いてもらうのもアリでしょう。

そうした人が身近にいない場合、プロの作曲家が作曲のレッスンなどをしている場合があるので、そうした場で、商業音楽としてリリースできるレベルにあるのか、どうすれば良くなるのかなど意見を聞くのも選択肢の一つに入れておいて良いと思います。

ゲーム会社に就職する以外で音楽(作曲)の仕事をするという選択肢はあるか?

ゲーム会社に就職するというのも、作曲の仕事をする選択肢のうちの一つですが、こればかりが唯一絶対の正解というわけでもありません。会社によっては、曲調や音色が特徴的すぎて、そこで仕事をする限り、その会社っぽい曲しか書けないということもあると思うので、よっぽどゲームのユーザーとしてもファンで、長年そこで働きたいと考えていたということでなければ、飽きっぽい人ならば退屈してしまうのではないでしょうか。

ゲーム会社に就職しても、後に独立して劇伴やCMの仕事をしたりする人もいるので、自分がどんな人生を歩たいのかを多少考えつつ選考に臨んだ方が良い気がします。では、他にどんな選択肢があるのかというと、以下のようなものが考えられます。

業務委託で仕事を請け負うという選択肢

ゲーム会社に就職できなかったからといって、全くゲーム音楽の制作に関わることができないかというと、そういうわけでもありません。業務委託として作曲家を募集している会社があるので、そうしたところに応募してみると良いでしょう。会社によって、どういったサウンドに強い人を求めているかなど条件を付している場合があるので、その点は注意書きをよく読んだ上で、自分の中で自信のある曲と資料を出すと良いと思います。

余談ですが、業務委託の面談の場合、「どんなことができるのか」ということと「どれくらいの期間で曲が書けるのか」ということや「なぜ応募したのかというざっくりとした理由」ぐらいしか聞かれませんでした。そのため、就職の面接と比べると、会話する内容に関してはハードルが少し下がる気がしています。ただ、気を抜いていいというわけでもないので、聞かれていることに対して必要な内容を答えることと立ち振る舞いに気をつけることの2点を強く意識しておくべきです。

コンペに参加するという選択肢

事務所に所属するなどして、楽曲コンペに参加するという方法です。ゲーム内の音楽でも、歌モノが要求される場合があるため、歌モノの楽曲を作ることができるならば、こうしたことに関しても目を向けておくのもありでしょう。

楽曲を販売する選択肢

他のところでも触れていますが、Audiostockなどのサイトで楽曲販売を行うという選択肢があります。ゲームではないのですが、乃木坂46の番組で自分の曲が使われたことがあったので、あのサイトに関しては、プロとして仕事をしている音響効果さんも利用しているのは確かだと思います。また、Unityアセットストアのようなゲーム系の素材を取り扱っているところで楽曲などを販売しておくとゲームで使われる可能性もあるようです。

多くの人(プロ含む)が利用するような媒体で販売実績を出し、楽曲を磨き、業務委託なども受けて自分の名前が載るようにしていけば、転職という方法でゲーム会社に就職できる可能性があるので、新卒で入れなかったからといって、人生に絶望する必要はない気がします。

作曲も扱っているような音響効果の求人を探す

音響効果という映像に音楽や効果音などを付ける仕事があるのですが、時々、作曲もできる人を募集している場合があります。劇伴作家の経歴などを調べていると、中には音響効果をやっていたことのある人もいるため、作曲もできるならば、こうした職種を就職先として検討してみるのも一案でしょう。

ただ、注意するべき点としては、作曲がメインの仕事になるわけではないのと、納期が厳しい仕事に当たる場合には残業なども発生することが予想されるため、曲を書くスピードに自信のある人出なければ、自分が思うように作曲と同時並行で仕事をするのが難しくなると考えられます。

最後に

自分のことはさておき、どんなに仕事をしていくポテンシャルが少しでもあるといっても、会社員として就職する場合、「面接」という場で相手が望むような振る舞いをできなければ、「この人は向いていないんじゃないか」と判断されて落とされてしまいます。短い時間でその人の人間性が全てわかるわけではないですが、現状、面接で全てが判断されてしまっているというのが世の常なので、苦手な人は苦手なりに早いうちから準備を始めておくのが得策でしょう。自分のようにせっかく面接に進めたのに落とされてしまうという残念な事態を避けるためにも、情報収集、分析、再構築がうまくできるように普段から行動しておくのをおすすめします。

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