劇伴のオーケストレーションやアレンジを学ぶには?
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劇伴とは?

今回は、劇伴のオーケストレーションやアレンジなどを学ぶための手段について備忘録も兼ねてまとめていく予定ですが、「そもそも劇伴って何だっけ?」ってところから振り返ってみようと思います。Wikipediaによると、以下のように定義されています。

映画やテレビドラマなどの劇中で流れる音楽を指す。歌ものについては「挿入歌」と言った語があるため「劇伴」は器楽曲を指すことが多いがその限りではない。
類似の語として「映画音楽」などがある。
サウンドトラックBGMという語もある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/劇伴

こうしたジャンルの音楽は、サウンドトラックが単体のCDとして発売されることもありますが、ここ最近では、アニメのDVDやブルーレイを購入した際のオマケ扱いになってしまったり、配信限定でリリースされていたり等、必ずしも音源が入手できるわけではないものになっています。

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楽譜を手に入れるにはどうしたら良いか?

楽譜を探すのも、実は一苦労だったりします。サウンドトラックなどを見つけることができても、そもそも、楽譜自体が販売されていることが少ないのです。ピアノ用や吹奏楽用などにアレンジされた譜面を見かけることは少なくないのですが、オーケストラに絞って考えると、実際に使われている音楽の数に比べて少ない印象があります。その中でも、楽譜を入手するのであれば、手軽な方法としては、大きく分けると無料で手に入れる方法と、有料で手に入れる方法の2つがあります。

無料で手に入れる

ジャンルや作曲家によっては、無料で劇伴に使われている楽譜を入手することができます。クラシック音楽の場合には、著作権が切れているならばネット上にパブリックドメインとして掲載されている場合が多いですし、商業音楽の作曲家でも、自らのSNSやWebサイトなどを通して楽譜やMIDIデータなどを発信している場合があるので、そうしたものを頼りに入手することができます。では、具体的にその方法について見ていきましょう。

パブリックドメインの楽譜を入手する

クラシック音楽は、著作権が切れている作曲家が多いため、無料で楽譜が公開されています。IMSLPがその代表例であり、バッハからストラヴィンスキーぐらいまでの時代の作曲家の作品の多くを無料で閲覧・ダウンロードすることができます。ただ、亡くなってから日の浅い作曲家や、随分前に亡くなったが、著作権関係の法律の影響で、まだ権利が残っている作曲家などは掲載されていないため、注意が必要です。

SNSや作曲家のウェブサイト経由等で入手する

自分が制作に関わった作品の宣伝目的や、過去の制作物のポートフォリオの役割を果たすためにSNSやWebサイトを運営しているような作曲家は少なくないです。1曲丸ごと譜面を公開している場合もあれば、音源付きの動画で楽曲の一部を公開している場合もあります。自分が興味をもった作曲家の名前をTwitterやGoogleなどを使って検索してみると見つかる可能性があります。

鷺巣詩郎

作曲家で、Twitterをやっている人のうちの一人です。新世紀エヴァンゲリオンやふしぎの海のナディア、シン・ゴジラなどの作品に楽曲提供しています。Twitterで時々、音源と譜面がセットになっている動画を公開していらっしゃいますが、スマホで見ると画面が小さくてわかりにくいかもしれないので、パソコンで閲覧したり、場合によってはスクショを撮って印刷するなどしてから音源を聴いてみた方が勉強しやすくなると思います。今回は、いくつかある例の中から3つほど、下に挙げておきました。他の譜面を見たい場合には、彼のツイートを遡るなどして探してみてください。

マルコ・ベルトラミ

バイオハザード、ターミネーター3などの映画音楽に関わっている作曲家です。個人の研究のためなどに、自身のWebサイトで時々譜面のPDFを無料で配布しています。楽譜ごとの配布期限がそんなに長いわけでもなく、常に何かが配布されているというわけではないので、まだ何も譜面を手に入れていないが、気になると思ったら、定期的にサイトをのぞいてみてはいかがでしょうか。

有料で手に入れる

無料で手に入るものもあれば、有料で購入したり、レンタルしたりすることができる譜面もあります。具体的な作曲家やサービスなどを以下に挙げていきます。

久石譲

スタジオジブリの映画作品の多くに楽曲提供をしている、日本では誰もが知っているような有名な作曲家です。彼の場合は、発売されている楽譜の音源をApple MusicやSpotifyのようなサービスで聴くことができるため、譜面を見ながらどのパートがどの役割を果たしているのか、どの楽器とどの楽器が重ね合わせられて音色が作られているのか等を確認しやすくなっています。

すぎやまこういち

ゲームのドラゴンクエストの音楽を担当した作曲家として有名な方です。厳密に言うと、劇伴の楽譜ではないのですが、コンサートなどでも演奏される音源が譜面になっているので、冒険をテーマにしたようなゲーム音楽の作曲やオーケストレーションを研究してみたい人にとっては役立つ譜面だと思います。演奏の音源も出回っているので、譜面を見ながら聴いてみることをオススメします。

千住明

大河ドラマの風林火山から鋼の錬金術師のようなアニメ作品など様々な映像作品に楽曲を提供している作曲家です。砂の器でテーマとして使われていたピアノ協奏曲『宿命』のスコアは、本人の自筆譜とともに見ることができます。内容としては、ピアノののみ取り出した譜面(楽譜制作ソフトで浄書されている譜面)と、本人の自筆譜でピアノ協奏曲のフルスコアがついています。自筆譜の譜面がかなり綺麗なので、安心して読むことができます。ヨーロッパのクラシックの作曲家だと、解読するのに一苦労するようなタイプもいますが、千住明さんの譜面はそんな心配は全くなく、とても読みやすかったです。音源も出ているので、聴いてみると良いでしょう。

ジョン・ウィリアムズ

スターウォーズ、ハリーポッター、インディー・ジョーンズ、E.Tなど数多くの映画音楽を担当した誰もが知るような作曲家です。実際の映画で使われた譜面をそのままというわけではありませんが、彼が監修した譜面が販売されているので、勉強する素材としてはかなり充実したものとなっています。譜面を見たときに、そのシンプルさには驚かされました。楽器を重ねるときに、メロディーはユニゾン多めでもよく響くのかというのが音源を聴きながら眺めた時の感想です。

ぷりんと楽譜

ピアノなどで有名なヤマハが関わっている楽譜販売サイトです。実は、そんなに多くはありませんが、劇伴の譜面も販売されています。ここ最近の大河ドラマのメインテーマの譜面が販売されています。また、ゲーム音楽では、モンスターハンターの『英雄の証』の譜面があるなど、勉強する上で役立つ素材が揃っている印象です。

nkoda

https://www.nkoda.com

サブスクリプションで世界中の様々な楽譜を閲覧することができるサービスです。クラシック音楽で、著作権がまだ切れていないが日本ではあまり見かけない楽譜も数多く閲覧することができます。自分が見た中で、珍しいと思ったのは、映画『戦場のピアニスト』の主人公のモデルになった実在の人物である、シュピルマンというポーランド人ピアニストの作品が掲載されていたことです。他にも、貴重な楽譜を見ることができます。また、海外の映画音楽のスコアでも閲覧可能なものがあります。

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他に選択肢はあるのか?

「劇伴」の譜面にこだわるならば、実際に制作に関わっている人に会って見せてもらうというシンプルだけれどもそこそこハードルの高い方法、耳コピをするというある程度勉強が必要な方法があります。

音大や専門学校に通い、作曲家に会って直に交渉する

音大や専門学校では、その道のプロとして活躍している作曲家の方が授業、レッスンなどを受け持っています。劇伴に興味があるならば、自分が教わりたいと思った作曲家の方が勤めている音大や専門学校などに通い、どうしても学びたいのだという気持ちを伝えた上で、丁寧にお願いしてみるのも選択肢の一つです。

アシスタントとして働く

劇伴などを担当している作曲家の方で、時々、アシスタントを募集している場合があります。TwitterやNote、事務所等のホームページなどで公に募集している場合もあれば、本人が指導している学校の中からアシスタントを採用する場合などがあります。聞いた話では、大々的には募集していないけれど、直接本人に頼み込んで採用してもらうというような例もあるようです。

耳コピをする

言葉の通り、自分の耳で各パートの楽器の音を聴き取り、楽譜やDAW上に音を書き起こしていく方法です。ある程度音感を養っている方ならば、ピアノ譜面にしてしまうことは可能だと思いますが、オーケストラの譜面にするには、管弦楽法の知識が必要になりますし(楽器の音域や奏法、よく使われがちな手法等々)、勉強を始めたばかりの人が最初から全部うまくいくわけではないです。
これを始めるとしたら、パート数が少ない楽曲から練習し、徐々に大編成のものに挑戦していくのが良いと思います。

忘れてはいけない大事なこと

オーケストレーションの勉強をする際に、管弦楽法のような書籍で楽器の用法を学ぶこと、譜面をみたり演奏を聴いたりしつつ、各パートがどんな役割をしているのが分類していくこと、DAWを使って生演奏に寄せるように打ち込みをしていくことは必要なことではありますが、他にも大事なことがあります。まだまだ勉強中の身なので、あまり偉そうなことは言えませんが、自分で曲を作ってみるの疎かにしないことです。

実際に曲を作ってみて、充分な理解のある作曲家に譜面を見てもらったり、音源を聴いてもらったりすること、そして楽器を実際に演奏してもらう機会を設けることで曲作りへの理解が深まると思います。オーケストラのような大編成のものを演奏してもらう機会を用意するのはなかなか難しいですが、ヴァイオリン一人とか、何かしらの打楽器だとかできる人を一人二人探すこと自体はそう難易度が高いことではないと思います。実際に譜面を書いてみると、演奏が難しいフレーズを書いてしまったり(自分の場合、複数回録音してもらい、音源を重ねてもらったこともありました)、奏者から指摘されてその場で強弱やアーティキュレーションなどを考え直して新たな発見があったりということがありました。

自分の書いた備忘録のようなものが何かの役に立てば幸いです。

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